破産とは?/ キャッシュワン
[ 652] 自己破産について
[引用サイト] http://www.yebh3.net/image/jikohasan/
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破産とは、債務者が多額の借金などにより経済的に破綻してしまい、自分のもっている資産では全ての債権者に対して完全に弁済することができなくなった場合に最低限の生活用品などを除いた全ての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じて公平に弁済することを目的とする裁判上の手続のことをいいます。破産の申立ては債権者からもできますが、債務者自らが申立てる破産を自己破産といいます。 自己破産をすると、周り近所にその事実が知られるのではないかと心配する方が多いのですが、そのような心配はまずないといっていいでしょう。破産手続開始決定を受けても戸籍や住民票に記載されることはないので、子供の就職や結婚などに影響が出ることはありません。しかし、破産者の本籍地の市区町村役場の破産者名簿には記載されますが、これは第三者が勝手に見ることはできませんし免責決定を受けると破産者名簿からも抹消されます。また、破産手続開始決定は官報に掲載されますが、一般人が官報などを見ることはまずありませんし、裁判所から勤務先の会社に連絡がいくようなこともありませんので、会社をクビになるようなことはありません。 自己破産をしても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しません。しかし、破産者は弁護士・司法書士などの職に就くことはできなくなるなど一定の資格制限があります。ただし、免責決定を受ければ、この資格制限もなくなります。 自己破産をすると、信用情報機関にいわゆるブラックとして登録されてしまいます。この登録機関は、信用情報機関によって多少の違いがありますが、およそ5年〜10年です。このブラックリストに登録されると、その期間は銀行やサラ金からお金を借りたり、クレジット会社からカードの発行を受けることが困難となります。しかし、銀行や郵便局に預金をしたり、公共料金の引き落としまでができなくなるわけではありません。 自己破産は借金整理の最終手段ですので当然、必要最低限の生活用品を除く全ての財産は強制的に換価されて、債権者に平等に分配されますので、マイホームのように非常に財産価値が高いものは、当然に換価されることになります。具体的には破産管財人によって任意売却されるか競売にかけられることになりますが、すぐに家を追い出されるというわけではなく、実際に新しい買主が現れるまでは従来どおりに住み続けることができます。現実には、破産を申立ててから不動産が売却されるまでに半年以上かかることも珍しくありませんので、その間であれば追い出されることはないといえます。 自己破産は清算手続きなのですから、当然お金に換えることのできる物であれば強制処分されてしまいます。しかし、そうはいっても債務者の最低限の生活は保証されていますので生活する上での必要最低限の家財道具は差押禁止財産として取上げられることはありません。 一般の方はよく破産の申立てをして破産手続開始決定を受ければ、借金がなくなると思っています。しかし、実際は免責決定を受けて初めて借金がなくなるのです。したがって、自己破産をする最終的な目的はこの免責決定を得ることであるといっても過言ではありません。 自己破産の申立てから免責決定までは裁判所や個々の事情によっても多少の違いはありますが、およそ半年程度です。しかし、東京地方裁判所においては弁護士が代理人となって申立てる個人の破産申立てに関して即日面接を採用しており、即日面接を利用した同時廃止事件の場合は、全ての手続きが終了するまで3ヶ月程度で済むので、非常にスピーディーといえるでしょう。 |
[ 653] 新しい破産法の概要
[引用サイト] http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan25.html
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支払不能又は債務超過にある債務者等の財産の適正かつ公平な清算を目的とする破産手続について,その迅速化及び合理化を図るとともに手続の実効性及び公正さを確保し,利害関係人の権利関係の調整に関する規律を現代の経済社会に適合した機能的なものに改める。 大規模事件のうち,債権者数が1000人以上のものには,専門的な処理体制の整った東京地方裁判所又は大阪地方裁判所に全国的な競合管轄を認め,債権者数500人以上のものには,高等裁判所所在地の地方裁判所に競合管轄を認める。 破産債権の調査について,従来の期日方式・口頭方式に加えて期間方式・書面方式をも導入し,事案に応じた適切な処理を可能とする。 労働者の生活の維持を図るため,配当手続に先立って,裁判所の許可によって労働債権に弁済をすることができる制度を設ける。 破産管財人の換価権限を強化するため,破産管財人が担保権付物件を任意売却する際に,担保権を消滅させることができる制度を設ける。 債権者間の平等を図るため,債務者の財産に対する強制執行等を一律に禁止する包括的禁止命令や保全管理人による債務者の財産の管理を命ずる保全管理命令の制度を設ける。 破産者の説明義務を強化するため,破産者に対し,その有する不動産,現金,有価証券等の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない義務を課す。 破産会社の役員に対する責任の追求を容易にするため,決定による損害賠償請求権の査定の制度(役員責任査定決定の制度)を導入する。 破産者の経済生活の再生に資するよう,自由財産となる金銭の範囲を標準的な世帯の必要生計費の3か月分に拡張するとともに,裁判による自由財産の範囲の拡張を可能とする。 破産手続開始の申立てがあれば,原則として免責許可の申立てもあったものとみなして,破産手続と免責手続とを一体化する。 免責手続終了までの間の破産者の生活の維持を図るため,免責手続中の破産者の財産に対する強制執行等を禁止する。 破産手続開始前3か月間の給料債権,退職前3か月間の給料の総額に相当する額の退職手当の請求権を財団債権とする。 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税債権については,破産手続開始当時,納期限が到来していないもの及び納期限から1年を経過していないものを除き,優先的破産債権とする。 賃借人が対抗要件を備えている場合には,破産管財人は賃貸借契約を解除できないものとして,賃借人の保護を図る。 破産手続は,支払不能又は債務超過の状態にある債務者等の財産を破産管財人が換価して,総債権者に対し公平な弁済をする裁判上の手続です。 破産法は,大正11年に制定され,昭和27年に免責制度を導入する等の一部改正がされましたが,その後は,本格的な見直しがされていません。そのため,手続全体が厳格にすぎて迅速性に欠け,利害関係人の権利関係の調整に関する規律も現代の経済社会に適合しないとの批判がされています。また,破産した個人の債務者について経済生活の再生の機会を確保するための方策をより一層講ずる必要があると指摘されています。そこで,破産法を全面的に見直すことにしたのです。 バブル経済崩壊後,社会経済構造の変化等に伴い,破産事件の件数は増加し,特に,個人破産事件の急増は社会問題化しています。今回の破産法の見直しにより,(1)迅速かつ公正に財産の清算がされるようになり,(2)個人が破産した場合の再起が容易になり,(3)企業が破産した場合の労働者の有する債権の保護も図られる等,国民生活におけるセーフティーネットの拡充が図られることになります。 破産した場合であっても破産者の手元に残される財産を自由財産といいます。従来の破産法においては,自由財産となる金銭の額については「標準的な世帯の2か月間の必要生計費を勘案して政令で定める額」(66万円)とされていました(平成16年4月1日から)。新しい破産法では,破産者の生活の維持を図るため,標準的な世帯の必要生計費の3か月分に相当する額(99万円)の金銭を自由財産とし,破産者の経済的生活の再生の機会を更に確保することとしています。また,破産者の生活の状況や破産者が収入を得る見込みの有無等の個別の事情に応じて,裁判所が,自由財産の範囲を拡張することができる制度を創設し,破産者の生活の維持を図るとともに,その再起に資するようにしています。 自由財産の範囲の拡張が認められる場合としては,まず,必要生計費の不足を補うため,自由財産となる金銭の額が引き上げられることが考えられます。また,そもそも破産者の手元に自由財産の対象となる現金がない場合には,本来,自由財産の対象とされていない預金債権等を自由財産とすることも考えられます。さらに,破産者の生活状況や職種を考慮して,必要と認められる場合には,自動車等を自由財産とすることも可能です。 従来の破産法は,破産宣告があった後,破産の申立てとは別に,免責の申立てをする必要がありましたが,新しい破産法では,債務者が破産手続開始の申立てをした場合には,原則として,当該申立てと同時に免責許可の申立てがあったものとみなすものとしています。さらに,この場合には,破産手続開始の申立ての際に提出する債権者一覧表を債権者名簿とみなすこととし,別個に債権者名簿の提出を要しないものとして,破産手続と免責手続とを申立てにおいて一体化しています。 給料債権,退職手当の請求権等の労働債権については,実体法上一般の先取特権が付与されており,従来の破産手続においても,このような労働債権の実体法上の優先権を尊重して,その全額が優先的破産債権とされていました。しかしながら,このような取扱いに対しては,破産手続が財団不足によって廃止された場合には,労働債権については全く配当がされない結果となる等,労働債権の保護が十分でないとの指摘がされていました。そこで,新しい破産法では,労働債権のうち,(1)未払給料債権については,破産手続開始前3か月間に生じたものを,(2)退職手当の請求権については,原則として退職前3か月間の給料の総額に相当する額を,それぞれ財団債権とすることにしています。これにより,労働債権を有する者は,財団債権とされる部分については,破産手続開始後破産管財人から配当手続によらずに弁済を受けることができることになります。 いわゆるパートタイマーやアルバイト等の正社員以外の者の給料債権等は,どのように取り扱われるのですか。また,形式上は雇用契約以外の契約関係(請負契約等)ですが,労務の提供によって生活の糧となる金銭を得ている者が有する債権はどうですか。 新しい破産法において,その一部が財団債権とされている「給料の請求権」とは,労働の対価として使用者が労働者に対して支払うすべてのものをいい,賃金,給料,手当,賞与等その名称の如何を問いません。したがって,いわゆるパートタイマーやアルバイト等の正社員以外の者はもとより,法形式上は,請負契約や委任契約等に基づくものであっても,労務の提供の対価として金銭を得ていると認められる場合には,この者の有する債権は「給料の請求権」に該当し,その一部につき財団債権として保護することができるようになります。 会社等が破産した場合には,破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権については,これらを有する労働者が裁判所に債権の届出をする必要がありますが,その届出をするために必要な賃金台帳などの資料の多くは会社側に存在し,必要となる情報等が必ずしも労働者側に十分確保されていないため,債権届出に困難を伴う場合も少なくないとの指摘がされていました。そこで,新しい破産法では,会社側に存在する資料等を引き継ぐ立場にある破産管財人は,破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し,破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならないものとして,債権届出に関する情報提供努力義務を課すものとしています。 新しい破産法においては,裁判所は,(1)破産手続開始の決定をした場合には公告すべき事項を,債権者集会を開催する場合にはその期日を,それぞれ破産者の使用人の過半数で組織する労働組合(なお,これに該当する労働組合がないときは,破産者の使用人の過半数を代表する者の手続関与が認められます。)に通知しなければならないものとし,また,(2)営業譲渡の許可をする場合には,労働組合等の意見を聴かなければならないものとしています。このほか,新しい破産法においては,新たに代理委員の制度が設けられており,これにより労働組合が代理委員として労働債権者のために破産手続に属する一切の行為をすることが可能となります。 新しい破産法では,倒産犯罪について,(1)従来の犯罪類型を整理する等して,全体として整合性のとれたものとする,(2)破産者が破産手続開始時における重要財産開示義務に違反した場合を処罰する規定等を新設する,(3)破産手続開始後に,手続外で破産債権の回収を図る目的で破産者等に対して面会を強請し,又は強談威迫する行為を処罰する規定を新設する等の見直しを行っています。なお,(3)の破産者等に対する面会強請等の罪では,その適用場面を個人債務者が破産した場合に限定しています。したがって,法人である企業が破産した場合に,労働者が労働債権の確保のために行う正当な行為がこの罪の対象となることはありません。 破産手続は,経済的に破たんした企業等の財産をすべて換価し,債権者に配当等を行う清算型の手続であり,民事再生手続及び会社更生手続は,経済的苦境にある企業等について債務の減免等を行うことにより,その経済的な立ち直りを図る再建型の手続です。 清算型手続 裁判所の監督下、破産管財人により、債務者の総財産(個人の場合には自由財産を除く。)を換価し、配当を通して債権者に公平に分配する。 再建型手続 裁判所の監督下、基本的に債務者本人が事業及び経済生活を継続し、可決・認可された再生計画に従って事業又は経済生活の再建を図る。 再建型手続 裁判所の監督下、管財人が会社の事業の経営及び財産の管理処分にあたり、更生計画の可決・認可及びその遂行を通じて、事業の再建を図る。 限定なし(事業又は経済生活の主体となり得る者) ※特に個人を対象とする手続(小規模個人再生手続及び給与所得者等再生手続)がある。 ※再生債務者の財産の管理処分が失当であるとき等事業の再生のために特に必要があるときは、管財人による管理が裁判所により命ぜられる。 (1)支払不能(=支払能力の欠如により弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済することができない状態にあること) (2)債務者が法人である場合には支払不能のほか債務超過(=その負担する債務のすべてをその有する財産のすべてをもって完済することができない状態にあること)もまた開始原因となる。 (2)更生担保権(更生会社の財産につき存する担保権によって担保される債権。更生計画によってのみ弁済等可) 破産手続によらずに行使することができる(別除権)。破産手続において破産債権として行使できるのは、被担保債権のうち担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分の額に限られる。 再生手続によらずに行使することができる(別除権)。再生手続において行使できるのは、被担保債権のうち担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分に限られる。 更生手続中は行使することができない。更生会社の財産につき存する担保によって担保される債権で、担保目的財産の価額に相当する部分は、更生担保権として、更生債権より優先的に扱われる。担保権の実行により、更生計画によらず満足を受けることはできない。 |
[ 654] 破産 - Wikipedia
[引用サイト] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%B4%E7%94%A3
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この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 債務者が経済的に破綻して、総債権者に対して債務を完済することができない状態にあること。また、そのような状態にある場合に、裁判所が債務者の財産を包括的に管理・換価して、総債権者に公平に配分することを目的として行われる法的手続。破産手続。本項目では、破産法に定める破産手続について、解説する。 破産(はさん)は、債務者が経済的に破綻して、総債権者に対して債務を完済することができない状態にあることをいう。また、そのような状態にある場合に、裁判所が債務者の財産を包括的に管理・換価して、総債権者に公平に配分することを目的として行われる法的手続を指すこともある。破産手続。 破産は、一般的には財産をすべて失うことを指す。法的には、債務者がその債務を完済することができない状態、または、そのような状態にある場合に、債権者に対して財産を公平に配分することを目的として行われる手続(破産手続)を指す(広義の破産)。 債務者本人や債権者などの申立て権者が、裁判所に破産手続開始の申立てを行い、裁判所が当該債務者に破産原因があると認める場合には、「破産手続開始の決定」を行う(狭義の破産)。従来、「破産手続開始の決定」は破産宣告と呼ばれていた。 なお、狭義の破産のうち、債務者自身の申立てにより破産手続開始決定を受ける場合を自己破産、会社役員が自分の会社の破産手続開始の申し立てを行って破産手続開始決定を受ける場合を準自己破産といい、債権者の申立てにより破産手続開始決定を受ける場合を債権者破産という。 破産は、「破産手続開始の申立て」に始まり、破産債権確定手続、破産財団管理手続を経て、「破産手続終結の決定」、「免責」及び「復権」で終わる一連の法的手続きである。 すなわち、債務者の財産を管理・換価して、債権者に公平に配分することを主たる目的とした手続である。しかし、現在、破産事件のほとんどを占める自然人の自己破産においては、同時廃止が行われている[1]。これは、破産手続が、債務者の財産を換価することも、債権者に財産を配分することもなく、ただ債務者が免責(破産債務者が残債務について弁済の責任を免れること。)を得るための手段として利用されていることを意味する。この実態を反映して、各地の裁判所が作成している定型申立書も、1通で破産及び免責の両者の申立てをなすものになっていることが多い。ただ、現行破産法上、両者はあくまで別個の手続であり、区別する必要がある[2]。 債務者が個人である場合、破産の申立ては、債務者の営業所、住所、居所又は財産を有する時に限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有する時に限り、することができる(同法4条1項)。 破産事件は、債務者が営業者であるときはその主たる営業所の所在地、外国に主たる営業所を有するときは日本における主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する(破産法第5条1項)。 多くの裁判所が、自己破産・同時廃止・免責の申立ての定型申立書を作成し、申立てを希望する者に配布している。 自己破産を申し立てる際には、申立てと同時に、財産の概況を示すべき書面並びに債権者及び債務者の一覧表を提出することを要する(同法20条)。前記の定型申立書においては、申立書のほかに陳述書も作成することになっているが、この陳述書が上記の「財産の概況を示すべき書面並びに債権者及び債務者の一覧表」である。この陳述書は、免責不許可事由の存否に関する証拠としても用いられる。 多くの裁判所においては、自己破産・同時廃止・免責を申し立てる際に、破産手続の費用を予納するよう要求される。この予納金は主として官報公告の費用に充てられ、具体的な金額は裁判所によって異なるが、基本的には、同時廃止の場合20,000円程度、管財人が選任される場合は200,000円程度(債権者が多い時には多くなる。)であることが多い。また、これとは別に、破産及び免責の各申立ての手数料として合計1,500円(破産手続開始申立につき1,000円(債権者申立の場合は20,000円)、免責につき500円)の収入印紙を申立書に貼り、郵便物の料金に充てるための費用として、裁判所が定める金額の郵便切手を予納しなければならない(民事訴訟費用等に関する法律)。さらに、破産申立代理人を弁護士に依頼する時は、弁護士報酬として20万円以上、司法書士に破産申立書類作成を依頼する時は、15万円以上の報酬を支払う必要があるが、各事務所によって報酬額に差がある。 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続の中止を命ずることができる。ただし、第1号に掲げる手続についてはその手続の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第5号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る(破産法第24条第1項)。 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治32年法律第48号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第8項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 裁判所は、第91条第2項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第1項の規定により中止した強制執行等の手続の取消しを命ずることができる(破産法第24条第3項)。 第1項の規定による中止の命令、第2項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる(破産法第24条第4項)。 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない(破産法第24条第6項)。 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産法第24条第1項第1号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、すべての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第28条第1項の規定による保全処分をした場合又は第91条第2項に規定する保全管理命令をした場合に限る(破産法第25条第1項)。これを「包括的禁止命令」という。 包括的禁止命令を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる(破産法第25条第2項)。 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する(破産法第25条第3項)。 裁判所は、第91条第2項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、破産法第25条第3項の規定により中止した強制執行等の手続の取消しを命ずることができる(破産法第25条第5項)。 包括的禁止命令、第4項の規定による包括的禁止命令変更、又は取消決定及び第5項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる(破産法第25条第6項)。 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から2ヶ月を経過する日までの間は、時効は、完成しない(破産法第25条第8項)。 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない(破産法第26条第1項)。 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる(破産法第26条第2項)。 破産法第25条第6項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない(破産法第26条第3項)。 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第25条第3項の規定により中止されていたものは、続行する(破産法第27条第1項)。 この規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する(破産法第27条第2項)。 包括的禁止命令の解除の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる(破産法第27条第4項)。 包括的禁止命令の解除の申立てについての裁判及びこれに対する即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、破産法第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法第27条第6項)。 破産手続開始決定がなされれば、その後は破産管財人によって財産の管理・処分がなされるが、開始決定までの間は従前通り債務者が自由に財産を処分できてしまう。このことから、破産手続開始の申立てから破産手続開始決定までの間に、債権者に対する配当原資となる債務者の財産が散逸して破産手続が無駄になる危険がある。この危険を防止するための手段として、破産手続開始決定前の保全措置が定められている。 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる(破産法第28条第1項)。 この保全処分及び保全処分の変更、又は取消の決定に対しては、即時抗告をすることができる(破産法第28条第3項)。 この保全処分及び保全処分の変更、又は取消の決定の裁判及びその決定に対する即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、破産法第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法第28条第5項)。 裁判所が破産法第28条第1項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る(破産法第28条第6項)。 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、第24条第1項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、第28条第1項の規定による保全処分、第91条第2項に規定する保全管理命令又は第171条第1項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない(破産法第29条)。 破産手続開始の申立てがあると、裁判所は、申立書その他の提出書類の記載から破産原因の存在を認定することができるか、これらの書類の記載に十分な裏付資料が存在するかという観点から審理をし、訂正補充を債務者に指示する。 書類や資料が調うと、債務者審尋あるいは債務者審問と称して、債務者を個別に裁判所に呼び出し、裁判官が、申立書その他の提出書類の記載内容に誤りがないかを確認し、破産原因及び同時廃止の要件の存否を認定するために必要な事項を聴取する。なお、こうした期日を開かないで審理を進める事案もある。また、免責の申立てもなされている事案であって、免責不許可事由の存在が疑われるものについては、その際に、裁判官が必要と認める訓戒を加えたり反省文の提出を指示したりすることもある。 本来の破産手続では、裁判所が破産管財人を選任し(同法74条1項)、破産管財人が破産財団(破産手続開始決定時に破産者が有する一切の財産)を管理処分して、これを換価し(同法184条)、債権者に分配する(同法193条~215条)。しかし、裁判所が、破産財団が破産手続の費用(少なくとも、破産管財人の報酬相当額が必要である。)にも足りないと認めるときは、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了させる決定をする(同法216条1項)。これを同時廃止といい、この場合、破産管財人は選任されない。現在裁判所に申し立てられる破産手続のほとんどは、同時廃止で終了している。 同時廃止をするのにわざわざ破産手続開始決定をするのは、免責を申し立てることができるのは個人である破産者だけだからである(同法248条)。 破産財団が破産手続の費用に足りないものの数十万円程度に上ると見込まれる場合には、裁判所は、債務者に破産財団相当額を積み立てさせ、債権者に分配させたうえで、破産手続開始決定・同時廃止をなすことがあり、これを同時廃止のための任意配当という。 破産者に対し破産手続開始決定前の原因に基づいて生じた財産上の請求権を、破産債権という(同法2条5項)。 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第88条第4項の債権者集会が終結したとき、又は第89条第2項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない(破産法第220条第1項)。 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない(破産法第220条第2項)。 破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる(破産法第221条第1項)。 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる(破産法248条第1項)。 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる(破産法248条第2項)。 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる(破産法248条第3項)。 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない(破産法248条第4項)。 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第20条第2項の債権者一覧表を第3項本文の債権者名簿とみなす(破産法248条第5項)。 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第218条第1項(破産債権者の同意による破産手続廃止)の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない(破産法248条第6項)。 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第1項及び第2項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない(破産法248条第7項)。 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる(破産法250条第1項)。 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない(破産法250条第2項)。 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第3項及び第254条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない(破産法251条第1項)。 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない(破産法251条第2項)。 第1項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない(破産法251条第3項)。 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする(破産法252条第1項)。 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 虚偽の債権者名簿(第248条第5項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第1項第6号において同じ。)を提出したこと。 次の1から3までに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれ1から3までに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあったこと(法改正前は10年以内であったものが7年に短縮された。)。 民事再生法第239条第1項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 民事再生法第235条第1項(同法第244条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる(破産法252条第2項)。 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法252条第3項)。 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法252条第4項)。 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法252条第6項)。 裁判所は、これらの免責不許可事由がある場合でも、免責の決定をなすことができると解されており、これを裁量免責という。例えば、裁判所は、破産者に浪費(破産法第252条第1項第4号。懈怠破産行為にあたる。)や詐術(破産法第252条第1項第5号)がある場合でも、比較的軽微なものにとどまるときは、前記の訓戒を受けたことや反省文を提出したことなどを考慮して、免責の決定がなされることもある。なお、一時期、破産者に一定額を積み立てさせて、債権者に分配させたうえで免責の決定をする運用がされていたことがあるが(免責のための任意配当)、個人再生手続が導入されたこともあり、現在では行われていない庁がほとんどである。 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない(破産法253条第1項)。 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない(破産法253条第2項)。 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない(破産法253条第3項)。 第265条(詐欺破産)の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする(破産法254条第1項)。 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法254条第2項)。 第1項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる(破産法254条第3項)。 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法254条第4項)。 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(破産法254条第6項)。 破産者は、免責許可の決定が確定したときなどにおいては、復権(破産手続開始決定に伴う破産者に対する法律上の制限が包括的に解除されること)する(破産法255条第1項)。 第218条第1項の規定による破産手続廃止(破産債権者の同意による破産手続廃止)の決定が確定したとき。 破産者が、破産手続開始の決定後、第265条の罪(詐欺破産罪)について有罪の確定判決を受けることなく10年を経過したとき。 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定が確定したとき又は再生計画認可の決定が確定したときの規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 |
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