期間とは?/ キャッシュワン
[ 101] 著作権の保護期間 - Wikipedia
[引用サイト] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E3%81%AE%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%9C%9F%E9%96%93
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この期間において著作権は保護され、著作権者は権利の対象である著作物を、原則として独占排他的に利用することができる。著作権の発生要件と消滅時期は各国の国内法令に委ねられているが、世界160ヶ国以上(2006年現在)が締結する文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約が、権利の発生要件として「無方式主義」(同条約5条(2))、著作権の保護期間として「著作者の生存期間および著作者の死後50年」(同条約7条(1))を原則としていることから、著作権は著作物の創作と同時に発生し、著作者の死後50年(あるいはそれ以上)まで存続するものと規定する国が多数を占める。 広義の「著作権」には著作者の人格的権利(著作者人格権)や、著作権に隣接する権利(著作隣接権)も含まれることがあるが、本項目では狭義の著作権、すなわち著作者の財産的権利に限定し、その保護期間について説明する。 著作権保護の目的は、大きく分けて2つの立場から説明されることが多い。一つは著作人格権に関して適用される立場であり、著作権を著作者の自然権ととらえて、著作者の人格的利益を保護することである。もう一つは、著作財産権に対して適用される立場であり、著作物の独占的利用権を与えることによって、著作者に正当な利益が分配されることを促し、その結果として創作活動へのインセンティブを高めることである。前者はヨーロッパを中心とした大陸法圏の国において発展してきた考え方であり、後者はイギリスやアメリカを中心とした英米法圏に由来する考え方であるといわれる。 いずれの権利に関しても、著作権の保護期間があまりにも短く設定された場合、著作者の利益の保護が不十分となり、結果として著作者の創作意欲が減退するおそれがある。一方で、著作物は何らかの形で先人の業績に依拠して創作されるものであるため、著作権の保護期間をあまりにも長く設定すると、新たな創作活動が困難となり文化の発展が阻害されるという結果を招く。特に、「死人の創作意欲が高まることはない」という言葉が示すように、著作者の死後、長期にわたって著作権(特に著作財産権)を保護することは、著作者の創作意欲を高める上であまり意味を持たず、社会全体としては不利益の方が大きくなる。 したがって、著作物の独占利用による著作者の創作意欲の向上という社会的利益と、著作物の利用促進による社会的利益の均衡を図るために、著作権の保護期間は適切な期間に調整されるべきである。そして、この「適切な期間」をめぐってさまざまな立場が存在することになる。 著作権の発生要件を定める法制には「無方式主義」と「方式主義」がある。無方式主義とは、著作物を創作することによって著作権は当然に発生するもので、著作権を発生させるためには、いかなる方式(手続)の履行も必要としない主義をいう。一方、方式主義とは、著作権を発生させるためには、官庁への納入、登録、登録手数料の支払いなど、何らかの方式(手続)の履行を求める主義をいう。 無方式主義は大陸法圏に由来する法制であり、方式主義は英米法圏に由来する法制であるといわれる。著作物の創作によって著作権が当然に発生する無方式主義は、著作権を著作者の自然権としてとらえる大陸法系の思想に合致する。一方、著作権の保護目的を功利主義的にとらえる英米法圏の思想からは、著作権を発生させるために、官庁への登録などの手続を求めることは自然である。 一方で、英米法圏のアメリカ合衆国やラテンアメリカ諸国は、ベルヌ条約に加盟することなく、独自の著作権保護同盟(パン・アメリカン条約)を形成し、方式主義を適用してきた。そのため、世界に無方式主義国と方式主義国が混在し、無方式主義国で創作された著作物が方式主義国では保護されないという問題が生じた。そこで、1952年、この問題を解決するために万国著作権条約が制定された。同条約3条によれば、以下の3つを著作物の複製物に対して表示することによって、方式主義国においても方式が履行されたものとみなし、保護を受けられることとしたのである。 なお、アメリカ合衆国は1989年にベルヌ条約に加盟し、方式主義から無方式主義への転換をはかった。その他の方式主義国も次々と無方式主義に転じたことから、2006年現在、方式主義を採用する国はほとんど存在しない。そのため、万国著作権条約3条に基づく著作権表示の法的な意味はほとんど失われたといってよく、現在では著作者や著作権者の名称、著作物の創作年や発行年、著作権の存在自体を表示するために慣用的に使用されているのみであり、その使用法や意味づけは必ずしも統一されていないのが実情である。 著作権の消滅時期を定める法制には、「死亡時起算主義」と「公表時起算主義」がある。死亡時起算主義は著作者の死亡時を起算時として著作権の消滅時期を決定する主義であり、公表時起算主義は、著作物の公表日を起算日として著作権の消滅時期を決定する主義である。 ベルヌ条約は死亡時起算主義を原則としている(ベルヌ条約7条(1))。ただし、無名や変名、団体名義の著作物については、著作者の死亡時を客観的に把握することが困難であるため、公表時起算を適用することを容認している(ベルヌ条約7条(4))。また、映画の著作物についても、公表時起算を適用することを容認している(ベルヌ条約7条(2))。 さらに、ベルヌ条約7条(1)によれば、加盟国は、著作者の死亡から著作権の消滅までの期間を50年としなければならない。著作者の死後50年まで著作権を保護する趣旨は、著作者本人およびその子孫2代までを保護するためであるとされている。 ただし、より長い保護期間を与えることも認められているため(ベルヌ条約7条(6))、保護期間が50年を超える加盟国も実際に多数存在する。欧州連合諸国、およびアメリカ合衆国は死後70年を適用し(いずれも1990年代に保護期間を延長する法改正を実施)、メキシコ(死後100年)やコートジボワール(死後99年)のように、さらに長期間にわたって著作権を保護する国もある。 日本は最短期間である死後50年を採用しているが(著作権法51条2項)、これらの国と同水準に保護期間を延長すべきであるとする意見がコンテンツ産業界や権利者団体を中心に根強い。一方で、著作物の利用促進の観点から保護期間延長に反対する意見も強いことから、保護期間延長の妥当性について、政府、民間の双方で論争が続いている。 文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約7条は、加盟国が定めるべき著作権の保護期間の要件を以下のとおり規定している。ただし、加盟国は、より長期間の保護期間を認めることができる(ベルヌ条約7条(6))。 無名または変名の著作物の保護期間は、公衆への提供時から50年で満了する。ただし、この期間内に、著作者が用いた変名が、その著作者を示すことが明らかになったとき、無名または変名の著作者がその著作物の著作者であることを明らかにしたときは、著作者の死後50年とする(7条(4))。 写真の著作物および応用美術の著作物の保護期間は、各同盟国が独自に定めることができる。ただし、保護期間は、著作物の製作時から25年より短くしてはならない(7条(4))。 著作物の保護期間は、著作者の死亡および上記の事実(公衆への提供、製作)が発生した時から始まる。ただし、これらの事実が発生した年の翌年の1月1日から計算する(7条(5))。 著作物の保護期間は、保護が要求される同盟国の法令が定めるところによる。ただし、その国の法令に別段の定めがない限り、保護期間は、著作物の本国において定められる保護期間を超えることはない(相互主義)(7条(8))。 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書1C、TRIPS協定)は、著作権を含む知的財産権の保護に関して世界貿易機関(WTO)加盟国が遵守すべき条件を定めている。 さらに、TRIPS協定12条は、著作物の保護期間が自然人の生存期間に基づいて計算されない場合の扱いを規定している。同条によれば、WTO加盟国は、著作物の公表の年の終わりから少なくとも50年間(著作物の製作から50年以内に公表が行われない場合には、製作の年の終わりから少なくとも50年間)、著作物を保護しなければならない。 世界各国における著作権の保護期間、および保護期間延長に関連する法改正の動向について概説する。なお、2007年1月現在の世界最長はメキシコの「100年」であり、以下コートジボワール(99年)、コロンビア(80年)、ホンジュラス・グアテマラ・セントビンセントおよびグレナディーン諸島・サモア(各75年)と続く。 1993年の欧州連合域内における著作権保護期間の調和に関する指令により義務付けられていることから、著作者の死後70年としている国が多数を占める。その背景には、20世紀半ばにドイツでクラシック作曲家の子孫たち(その多くは、作曲家ではない)が延長運動を行った結果、1965年よりドイツにおいて死後70年が採用され、EU指令においてもドイツの保護期間が基準とされたことが大きいといわれる。その一方、EUでは著作隣接権を公表後50年から延長することについては2004年に断念している。[1] 著作者の生存期間および死後70年までを保護期間の原則とする。1948年のベルヌ条約ブラッセル改正に伴う調査では保護期間を「無期限」と定めていたことが知られているが、この規定は1971年のパリ改正までに撤回されている。 この節には現在進行中のことを扱っている文章が含まれています。性急な編集をせず事実を確認の上投稿してください。 1990年代、欧州連合諸国およびアメリカ合衆国で、著作権の保護期間を著作者の死後70年に延長する法改正が相次いだ。また、アメリカ合衆国政府は、「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」[2]の中で、著作権の保護期間を著作者の死後70年(著作者の死亡時に関係しない保護期間は公表後95年)に延長することを日本政府に対して求めている。こうした状況を受けて、日本国内でも、著作権の保護期間の延長問題に対する関心が高まってきている。 2005年1月24日、文部科学省の諮問機関である文化審議会著作権分科会は、『著作権法に関する今後の検討課題』を公表し、「欧米諸国において著作者の権利の保護期間が著作者の死後70年までとされている世界的趨勢等を踏まえて、著作者の権利を著作者の死後50年から70年に延長すること等に関して検討する」[3]として、著作物の保護期間の延長が同審議会における検討課題の一つであることを正式に表明した。 2006年11月8日、劇作家、法律家、学者など64名(発足時)を発起人として、「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」(発足時の名称は「著作権保護期間の延長問題を考える国民会議」)が発足し、国民的な議論をつくさないまま保護期間を延長すべきでないとする声明を発表した。また、青空文庫は、2007年1月1日より保護期間延長に反対する趣旨の請願署名を開始している。[5] 日本国はベルヌ条約、万国著作権条約、WIPO著作権条約の締約国である。また、TRIPS協定を遵守すべきWTO加盟国でもある。したがって、これらの条約、協定で定められた保護期間の要件をすべて満たすように、国内法で著作権の保護期間を規定している。 著作権は、著作物を創作した時に発生する(著作権法51条1項)。登録を権利の発生要件とする特許権や商標権などとは異なり、著作権の発生のためには、いかなる方式(登録手続き等)も要しない(著作権法17条2項)。ベルヌ条約の無方式主義の原則(同条約5条(2))を適用したものである。 共同著作物の場合は、最後に死亡した著作者の死亡時から起算する(同項かっこ書)。これは、最後に死亡した著作者が、日本の著作権法6条に基づく権利の享有が認められない者(条約非加盟国の国民など)であっても同様であると解する[6]。 また、自然人と団体の共同著作物の場合、本項を適用して自然人である著作者の死亡時から起算するのか、後述する53条1項を適用して公表時から起算するのかが問題となる。この場合、自然人である著作者の死亡時から起算するのが妥当であると解する。保護期間の長い方による方が著作権保護の趣旨に合致するし、公表時起算は死亡時起算が適用できない場合の例外的規定だからである[7]。 一般的な著作物(写真や映画の著作物を除く)の原則的な保護期間は、1899年7月15日に施行された旧著作権法では、著作者の死後30年までと規定されていた。その後は、以下のような変遷をたどっている。 そのため、過去に創作された著作物の著作権の保護期間は、著作者の死後50年とならないことがある。たとえば、芥川龍之介、梶井基次郎、島崎藤村[8]の作品の著作権の保護期間は以下のとおりとなる。 無名または変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後50年を経過するまでの間、存続する(著作権法52条1項本文)。無名または変名の著作物では著作者の死亡時点を客観的に把握することが困難であるから、ベルヌ条約7条(4)が容認する公表時起算を適用した。 ただし、公表後50年までの間に、著作者が死亡してから50年が経過していると認められる著作物は、著作者の死後50年が経過していると認められる時点において著作権は消滅したものとされる(同項但書)。また、以下の場合には著作者の死亡時点を把握することができるから、原則どおり死亡時起算主義が適用され、著作権は著作者の死後50年を経過するまでの間存続する(著作権法52条2項)。 著作者が、著作物の公表後50年が経過するまでの間に、その実名または変名(周知なもの)を著作者名として表示して著作物を公表したとき(同項3号) ここで、「無名の著作物」とは、著作者名が表示されていない著作物をいう。「変名」とは「雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの」(著作権法14条)であり、「その他実名に代えて用いられるもの」の例としては俳号、芸名、四股名、ニックネーム、ハンドルネームなどが挙げられる。 また、「周知」とは、その変名が著作者本人の呼称であることが一般人に明らかであって、その実在人が社会的に認識可能な程度に知られている状態をいうものと解する[9]。たとえば、漫画家「手塚治虫」の名はペンネーム(筆名)であるが、周知の変名でもある。したがって、「手塚治虫」の名のもとで公表された漫画の著作物の著作権は、手塚治虫(1989年2月9日没)の死後50年の経過をもって消滅する(著作権法52条2項1号)。したがって、今後保護期間を変更する著作権法改正がないものと仮定すると、手塚治虫作品の著作権は2039年12月31日まで存続する。 法人その他団体が著作の名義を持っている著作物の著作権は、その著作物の公表後50年(著作物の創作後50年以内に公表されなかったときは創作後50年)を経過するまでの間、存続する(著作権法53条1項)。団体名義の著作物においては、著作者の死亡を認定できないため、公表時起算を例外的に適用した。 団体名義の著作物とは、団体が著作者となるいわゆる職務著作(著作権法15条)の著作物に限らず、著作者は自然人であるが、団体の名において公表される著作物を含む。 ただし、上記の著作物の著作者である個人が、上記の期間内に、当該個人の実名、あるいは周知な変名を著作者名として著作物を公表したときは、原則どおり著作者の死後50年の経過をもって著作権が消滅する(著作権法53条2項)。 映画の著作物の著作権は、その映画の公表後70年を経過するまでの間、存続する(著作権法54条1項)。ただし、映画の創作後70年を経過しても公表されなかった場合には、創作後70年を経過するまでの間、存続する(同項但書)。映画の著作物の著作者は「制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」(著作権法16条本文抜粋)と規定されているが、映画が様々なスタッフの寄与によって創作される総合芸術であり、著作者が誰であるかを実際に確定するのは困難であるため、ベルヌ条約7条(2)に従い、公表時起算主義を採用した。 2003年(平成15年)6月12日、映画の著作物の保護期間を公表後70年に延長すること等を盛り込んだ改正著作権法が、衆院本会議で可決、成立した。これにより、企業が著作権を有するアニメ・テレビゲーム等の活気がある分野のコンテンツの保護期間が欧米でのそれに近づくことになる点がメリットであるとされる。しかし、そうしたごく少数の作品と同時期に公開された圧倒的多数の作品を死蔵・散逸させるデメリットの方が大きいという批判も強い(→ローレンス・レッシグ)。また、この改正著作権法の施行日が1月1日であったことから、1953年公開の映画について、著作権保護期間が50年か70年か争いがあったが、2007年12月18日の最高裁判決により、50年で論争が決着した。→1953年問題を参照のこと。 なお、1971年(昭和46年)より前に製作された映画作品は、旧著作権法の規定と比べ長い方の期間になるので注意が必要である。 写真の著作物の保護期間を他の著作物を区別して特別に定める規定は存在しない。したがって、一般の著作物と同様に、写真の著作物の保護期間は死亡時起算の原則により決定される(著作権法51条2項)。 写真の著作物の保護期間は、1899年7月15日に施行された旧著作権法では、発行後10年(その期間発行されなかった場合は製作後10年)と規定されていた。その後は、以下のような変遷をたどっている。 このように、写真の著作物は他の著作物と比べて短い保護期間しか与えられてこなかったため、保護の均衡を失するとして、日本写真著作権協会などは消滅した著作権の復活措置を政府に対して要望していた。しかし、既に消滅した著作権を復活させることは法的安定性を害し、著作物の利用者との関係で混乱を招くなどの理由から、平成11年度の著作権審議会は、復活措置を見送る答申を行っている[10]。 さらに、1996年12月の著作権法改正によって(翌年3月25日施行)、写真の著作物の保護期間を公表後50年までとしていた著作権法55条が削除され、写真の著作物に対しても、他の一般著作物と同等の保護期間が適用されることになった。これは、1996年12月の世界知的所有権機関(WIPO)外交会議によってWIPO著作権条約が採択されたことを受けたものであり、同条約9条は、写真の著作物に対して他の一般著作物と同期間の保護期間を与えることを義務づけているからである。 著作物を、冊、号または回を追って公表する場合、著作物を一部分ずつを逐次公表する場合、それぞれ公表時をいつとすべきかについて、著作権法56条は以下の通り規定している。 冊、号または回を追って公表される著作物について、公表時を起算時として著作権が消滅する場合、その「公表時」とは、毎冊、毎号または毎回の公表時期とされる(著作権法56条1項)。 一部分ずつを逐次公表して完成する著作物について、公表時を起算点として著作権が消滅する場合、その「公表時」は最終部分の公表時とされる(著作権法56条1項)。 「一部分ずつを逐次公表して完成する著作物」の例としては、文学全集、新聞連載小説、ストーリーが連続して最終回に完結するテレビドラマなどが挙げられる。たとえば、NHKの連続テレビ小説『おしん』は最終回にストーリーが完結するものである。したがって、第1話のみであっても、その著作権の消滅時期は、公表時を1984年3月31日(最終話の公表時)として計算される(著作権法56条1項後段)。そうすると、『おしん』の第1話が自由に利用可能になるのは、今後保護期間を変更する著作権法改正がないものと仮定すると、2055年1月1日午前0時からである。 なお、直近の公表時から3年を経過しても次回の公表がない場合は、直近の公表時が最終部分の公表時とみなされる(著作権法56条2項)。公表間隔を長くすることにより、著作権の保護期間が不当に延長されることを防ぐためである。 たとえば、日本国ではないベルヌ条約同盟国であるA国の国内法が、映画の著作物の保護期間を公表後50年と定めているとする。「公表後50年」は、日本国著作権法が定める映画の著作物の保護期間(公表後70年、著作権法54条)よりも短い。したがって、A国を本国とする(A国で第一発行された)映画の著作物の保護期間は、日本国著作権法においても公表後50年までしか保護されない。 ただし、日本国民の著作物に対しては、著作権法58条は適用しない(同条かっこ書)。したがって、日本国民の著作物は、第一発行国によらず、著作権法51条〜55条が定める保護期間が満期で与えられる。 第二次世界大戦における連合国(アメリカ、イギリス、カナダなど)やその国民が有する著作権であって、日本国と当該連合国との間で平和条約が発効した日の前日以前に取得された著作権に対しては、上述の通り認められる通常の著作権の保護期間に加えて、いわゆる戦時加算による保護期間の加算が認められる(連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律4条)。第二次世界大戦中は、連合国や連合国民の著作権保護に、日本国は十分に取り組んでいなかったと考えられたためである。加算される期間は以下のとおりとなる。 1941年12月8日から、日本国と連合国との間の平和条約発効日の前日までに当該連合国および連合国民が取得した著作権 相続人なく著作権者が死亡した場合において、相続財産の清算のために相続財産管理人によって著作権が譲渡されず、特別縁故者に対する相続財産の分与もされなかった場合(民法959条に該当する場合)、あるいは著作権者である法人が解散した場合において、その著作権を帰属させるべき者が存在しない場合(民法72条3項に該当する場合など)や清算法人の財産の清算のために清算人によって著作権の譲渡がされなかった場合は、著作権は法定の保護期間満了を待つことなく消滅する(著作権法62条1項、2項)。 民法などの原則をそのまま適用すれば、著作権はいずれの場合も国庫に帰属するはずである(民法959条、民法72条2項)。しかし、著作権法では上記のような特別規定をおき、著作権を消滅させることとした。著作物が文化的な所産であることを考慮すると、著作権を国庫に帰属させるよりは、広く国民一般に利用させるのが適切だからである。同様の権利消滅規定は、特許法、意匠法、商標法などの産業財産権法でも存在する(特許法76条、意匠法36条・商標法35条で準用する特許法76条)。いずれの規定も、著作権と同様に、権利の対象が知的所産であることを考慮したものである。 著作権法には、著作権を放棄できるとする明文の規定が存在しない。しかし、著作権は放棄できると解するのが、著作権の財産権的性質(著作権法61条、63条等)からも妥当である。放棄の方式については、放棄の効力発生要件としての登録制度が存在しないことから(著作権法77条)、立法担当者からは、著作権放棄の効力を発生させるためには、著作権者による新聞広告その他への明示的な放棄の意思表示が必要であると説明されている[11]。もっとも、このような説明に対しては、放棄があったかどうかは要は証明の問題に過ぎず、要件が厳しいとの批判もある[12]。 一方で、著作権は放棄できないとする見解もある。仮に著作権は放棄できないとすると、著作権者が「著作権を放棄する」旨の意思表示をした場合の法的効果が問題となる。この場合、著作権者の意思を合理的に解釈して、著作権者は「著作権は保有しているが、それを行使しない(他人が著作物を利用することを禁止しない)」旨の意思表示をしたと解すべきことになる。したがって、そのような意思表示をした著作権者が、当該著作物の利用者に対して差止請求権や損害賠償請求権を行使することは、もはや信義誠実の原則から認められないことになる[13]。 著作権が消滅すると、その著作物はパブリックドメインに帰し、原則として誰でも自由に利用することができる。 ただし、公表時起算によって著作権が消滅すると、著作権消滅後も著作者が生存し、著作者人格権が存続していることがある。その場合、著作者人格権を侵害する態様で著作物を利用することはできない(著作権法18条〜20条)。また、その後著作者が死亡し、著作者人格権が消滅しても、著作者が生存しているならば著作者人格権の侵害となるような利用行為、著作者の声望名誉を害する方法による著作物の利用行為は引き続き禁止される(著作権法60条、113条6項)。 著作物を翻訳、編曲、変形、翻案して創作された二次的著作物の著作権の保護期間は、原著作物の著作権の保護期間とは独立して認められる。すなわち、創作(翻訳、編曲、変形、翻案)のときに著作権が発生し、著作者(翻訳、編曲、変形、翻案した者)の死亡時期、その二次的著作物の公表時期、あるいは創作時期を起算時として著作権の消滅時期が決定される。 したがって、原著作物の著作権が保護期間満了等の事由により消滅していても、二次的著作物の著作権が消滅しているとは限らない。 逆に、原著作物の著作権が存続したままの状態で、二次的著作物の著作権が先に消滅することもある。この場合、当該二次的著作物を利用するには当該原著作物の著作権者の許諾が必要であり、原著作物の著作権が消滅するまでは、二次的著作物を自由に利用することはできない(著作権法28条)。ただし、映画の著作物の利用については、次節のような特別な規定が存在する。 映画の著作物の著作権が保護期間満了によって消滅しても、その映画において翻案されている著作物(脚本や、原作となった小説や漫画等)の著作権は存続している場合がある。この場合、その映画の利用に関するそれらの原著作物の著作権は、映画の著作物の著作権とともに消滅したものとされる(著作権法54条2項)。したがって、映画の著作物を利用する限りにおいては、脚本や、原作となった小説や漫画等に係る著作権者の許諾を得る必要はない。この規定は、著作権が消滅した映画の円滑な利用を促進することをねらいとする。 ただし、著作権が消滅したものと扱われる著作物は、映画において翻案されたものに限られ、録音、録画されているに過ぎない著作物(字幕、映画音楽、美術品等)の著作権は消滅したものとされない。したがって、映画の著作物を利用するためには、字幕、映画音楽、美術品等に係る著作権者の許諾を得る必要がある。 この節には現在進行中のことを扱っている文章が含まれています。性急な編集をせず事実を確認の上投稿してください。 2004年1月1日に施行された改正著作権法は、映画の著作物の保護期間を公表後50年から公表後70年へ延長する規定を含んでいた。ただし、施行前に著作権が消滅した映画の著作物に対しては、遡って新法を適用して著作権を復活させることはない。 同年7月、東京地方裁判所は「ローマの休日」の仮処分申請に対し、1953年に公表された映画の著作物の著作権は2003年12月31日まで存続し、2004年1月1日には消滅しているとして、パラマウント社の申請を却下した。また、10月には「シェーン」に対しても同様の理由によってパラマウント社の請求を棄却する判決を言い渡した(東京地方裁判所判決平成18年10月5日)。「ローマの休日」の仮処分申請却下を不服とするパラマウント社は即時抗告を行ったが、10月に「シェーン」で敗訴したことを受けて「ローマの休日」については抗告を取り下げた。パラマウント社は「シェーン」についてのみ知的財産高等裁判所に控訴したが、同裁判所は2007年3月29日、著作権は2003年12月31日をもって消滅したとする一審判決を支持し、パラマウント社の控訴を棄却する判決を言い渡した(知的財産高等裁判所判決平成19年3月29日)。 原告の主張によれば、被告2社は「モダン・タイムス」など原告が著作権を保持管理する9作品について、原告の許諾を得ずに格安DVDを販売したことにより、原告の著作権を侵害したとする。 著作権が消滅し、パブリックドメインに帰した著作物を有効活用する事例がみられる。近年の情報技術の発達、インターネットの普及を受けて、著作物をデジタル化し、インターネットを介して誰でも閲覧することを可能とするものが多い。しかし、著作権の保護期間を延長する法改正が各国で相次いでいることから、その存続が危ぶまれているものも存在する。 著作権が消滅した文学作品を収集・公開しているインターネット上の電子図書館である。1997年、著述家の富田倫生が開設した。 青空文庫と同様に、著作権が消滅した文書を電子化し、インターネット上で公開しようとする計画である。1971年、マイケル・ハートが開設した。最近では著作権の保護期間を延長する法改正が各国で相次ぎ、オーストラリアを始め事実上の活動停止や大幅な活動規模の縮小を強いられる事例も相次いでいる。 江戸時代の和本・典籍・古文書などを扱う専門図書館である。著作権が消滅した古文献を電子化して配布し、集められた収益は散逸した史料収集にあてられる。 著作権が消滅した著作物およびフリーライセンスのもとにある著作物を集積し、公開するためのプロジェクトである。アメリカのウィキメディア財団が運営している。2003年に開設された。ウィキクォートも参照。 |
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